震災・虐待・異界が交錯する痛みと救済の物語
- ★★★ Excellent!!!
「神に見捨てられた少女」を救うのは、神ではなく、
傷つきながらも足掻く人間たちだった。
物語は、阪神淡路大震災という逃れようのない現実の悲劇と、
そこから生まれた絶望が連鎖していく様を容赦なく描きます。
しかし、その暗闇の中で輝くのは、異能を持つ少女・剣奈や、
彼女を支える大人たちの「救いたい」という純粋で強靭な意志です。
この作品の凄みは、ファンタジー的な異能バトルと、
児童相談所や家庭裁判所といった「現実の制度」を武器にした戦いが見事に融合している点にあります。
キャラクターたちの会話は軽快で読みやすいのに、
その奥には重い現実が横たわっている。
この温度差が心を強く揺さぶります。
「救い」とは何か。
骨太な人間ドラマを求めている方に強くおすすめします!