丁寧な描写で紡がれる正統派ハイファンタジー冒険の空気感が感じられる一作

現代に疲れ、生きる意味を見失っていた主人公・緋色が迷い込んだのは、幻想的な森が広がる異世界。

「異世界転移」という導入こそ王道ですが、この作品の真骨頂はその圧倒的な描写力にあります。

森の空気感、水の冷たさ、そしてエルフの里の生活感……。

特に素晴らしいのが「食事シーン」! ファンタジー世界ならではの食材や料理が、五感を刺激するような表現で描かれており、読んでいるだけでお腹が空いてきます(笑)

もちろん、日常パートだけでなく、シリアスな展開や戦闘描写の緩急も見事。主人公が異世界で何を感じ、どう生きていくのか。

一人の男の再生と冒険の物語として、じっくりと腰を据えて読みたくなる名作の予感がします。

「なろう系」のテンプレに飽きた方、骨太で美しいファンタジー世界に浸りたい方にこそ読んでほしい作品です。

これからの冒険がどう広がるのか、更新を楽しみにしています!

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