概要
酒呑童子——恐ろしき悪鬼として現代まで語り継がれてきた存在。
だが、その伝承の裏には、誰も知らぬ“もう一つの真実”があった。
源頼光と四天王が挑んだ大江山の鬼退治。
そこで交わされたのは剣戟ではなく、
人と鬼をめぐる、ある“約束”であったという。
これは、歴史に記されなかった物語。
月夜に囁かれた、鬼と人との秘められた伝説——。
そして、その物語を語り継ぐ者は”誰”なのか。
ぜひ予想しながら読み進めてみてください。
歴史に親しんできた方には、ほんのひととき、酒の肴にしていただければ望外の喜びです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!過去を知ること=〝未来を創ること〟。過去を〝正しく伝える〟責は重い。
「俺たちのつらく、切ない過去を伝えるために……
デジタルという魔法がある」
「過去を伝えることと、未来を作ることは……
同じなんだ」
ビデオゲーム『METAL GEAR SOLID2』終盤にて『2』主人公・雷電に『1』主人公ソリッド・スネークが語ったこの旨が思い出されました。
『MGS2』ゲーム中で描かれるのは
「デジタル技術の発展によりいつの、どこの情報でも、万人が容易に手に入れられる『情報化社会』では
〝様々な理由で生まれるウソの情報もいつまでもヒトを欺き続ける、
それは時に生命の継承を危うくすることにも等しい危機を招きかねない〟。
夥しい情報の渦巻く世界にあっていっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人を愛した鬼姫と、討伐を命じられた英雄——魂が震える、約束の物語。
酒呑童子と源頼光。
よく知られる鬼退治の伝承の裏に、もし、語られていない真実があったとしたら——。
村の子どもたちに、ひとりの老人が語り始める。
それは、人を愛した優しい鬼姫と、討伐を命じられた源頼光との「約束」の物語。
恐ろしい鬼として知られる酒呑童子を、人を愛する鬼姫として描く。その着想に、まず惹かれました。
そして読み進めるほどに、登場人物それぞれの想いや、背負うものが胸に迫ってきます。
言葉にできない想いがこぼれる場面や、それぞれの気持ちが交錯する描写が本当に素晴らしく、何度も胸を打たれました。
よく知る伝承と重なることで、「本当はこんな出来事があったのかもしれない」と思えるほ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!~ 語り継がれた鬼退治の裏に、誰が本当の声を残したのか ~
酒呑童子といえば史上最強の鬼、というイメージを踏まえつつ、「伝承の裏にもう一つの真実があった」という前提を立てる構成がいい。源頼光の鬼退治という有名な逸話を、剣戟だけでなく人と鬼の間に結ばれた「約束」の物語として再解釈する着眼点に好感を持った。
レビューで繰り返し言及されている「この物語を語り継ぐ者は誰なのか」という謎が、全6話・4,827文字というコンパクトな構成の中で最後まで読者を引き止める仕掛けになっている。歴史の正史として残った「鬼退治」という建前の裏に、語られなかった優しさと悲しみがあった、という構造は、表向きの物語と内側の真実のずれを描く著者らしい手法だと感じた。
音楽まで含めて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!動画と音楽まで響く、クリエイター魂の鬼姫譚
この作品でまず驚かされるのは、物語そのものだけではなく、動画や音楽まで含めて世界を届けようとするクリエイター魂です。
源頼光と酒呑童子という有名な題材を、「悪しき鬼を討つ英雄譚」ではなく、人を愛した鬼姫と、討ちたくなかった武人の約束の物語として描いているのがとても印象的でした。
鬼姫の優しさ、頼光の葛藤、金時が語り継ごうとする想い。
短い中に、伝承の裏側にあったかもしれない祈りや悲しみが込められていて、胸に残ります。
そしてエンディングの歌まで含めて味わうと、これはもう読むだけの物語ではなく、五感で感じる作品だと思いました。
最後の音楽には、思わずホロリときます。
文章、映像、音楽。…続きを読む