概要
「世界が摩耗し、空白だけが残っていく」
湖畔で暮らす「私」は、世界が意味を失っていく気配の中で、まん丸の石を拾う。
それは空白を広げ、生活と暴力を同じ平面へと沈めていく。
存在の摩耗を描く寓話的短編。
それは空白を広げ、生活と暴力を同じ平面へと沈めていく。
存在の摩耗を描く寓話的短編。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!亡霊のように湖畔に暮らす「私」は、何を拾ったのか。
本作、主人公は一貫してひと言も話しません。考えていることを地の文で記すだけ。それがとてもよく雰囲気を出しています。
湖畔に暮らす「私」が主人公です。
明記はされていませんが初めの段階で何者かは、なんとなく察せます。それがむしろ不気味感をいっそう醸し出しています。
はじめは湖畔の情景を、肉を食む様子を、「私」が見たまま、感じたまま、客観的事実を描き出されます。しだいに、ぽつぽつと考えが織り交ぜられーー月や蝋燭、肉を中心として、静かで、妖しく幻想的で、薄気味悪い。
話を進めると、街の人達の騒々しいおしゃべりが描かれるのですが、「私」はやはり話さない。まるで、亡霊が彷徨っているようにすら感じ…続きを読む