連綿とした恐怖の歴史…。レッツゴー・峡嵐町!

と或る、過疎化に悩む日本の地方都市

  その名も 峡嵐(はざまらし)町。

歴史はそこそこ古いが、地方にありがちな
人口減少に悩む町長の出した広告。
 移住者に対する破格な特典。とりわけ
子育て世代へのアピールはそれなりに
魅力的に映る。取り返しのつかない迄に
仮想価値概念の渦巻く世界の、島国日本。
少しでも豊かな生活が出来るのならばと
移住希望者が殺到する。

峡嵐町のサイトには、次から次へと
魅力的な特典やイベントが並ぶ…。

或る種のモキュメンタリー調。峡嵐町の
紹介を我々は目にするのだが、その裏に
隠された真実と、更にその先にある現実。
 淡々とした内容で流れて行くこの
峡嵐町の お知らせ は、次第に不穏さを
帯びて行くが、同時に我々がこの町への
移住を決めようが決めまいが、皆が等しく

 『峡嵐大祭』に参加する事になる。

それに気付いた時に、更なる恐怖と絶望が
山から吹き下ろす大風の様に、全てを
巻き込んでは呑み込み蹂躙するのだ。

今も、峡嵐町は好待遇で新たなる移住者を
募っている。
       峡嵐町へ、ようこそ。


 

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