町の紹介文はちゃんと目を通しましょう! その『ヤバさ』を見逃すな!!
- ★★★ Excellent!!!
作品を読み終え、いくつかの「映画のDVDパッケージ」などが頭にちらつきました。
この土地、映像にしたらきっと「2000人の〇〇」とか「変〇村」とか、そんなノリのところなんじゃないか。映画通ならそういうイメージが浮かんできそうな感じです。
本編は「村長」からのメッセージという形で、狭嵐町(はざまらしまち)の概要について語られます。
もしも町の名前を間違って「きょうらんちょう」などと呼んでしまうと、身の安全が保証されないという。
……この感じ、覚えがある。「県名」の読み方を間違って「〇〇〇ギ県」とか呼んだりすると、「この、ごじゃっぺが!」と胸倉を掴まれるような土地も(北関東辺りに)実際にある! それに通ずる怖さを感じました。
読めば読むほど、「不穏な情報」がちらほらと目につくように。
移住した人についての説明。その先での「大祭」についての話。
この町の原住民と「旧住民」との間で起こったという話。
おいおい、なんなんだい、この土地は! この土地に住んでいるのは、本当に「人間」なのか……!?
読めば読むほどヤバさが伝わってくる。
どこかへ旅行、または移住する時には、しっかりと「説明」を読んでおくことが必要だと痛感させられました。
「あの時、ちゃんと紹介文を読んでおけば」。本作は、そんな風に後悔しないで済むための、「予行演習」ともなる一作です。