町の紹介文はちゃんと目を通しましょう! その『ヤバさ』を見逃すな!!

 作品を読み終え、いくつかの「映画のDVDパッケージ」などが頭にちらつきました。

 この土地、映像にしたらきっと「2000人の〇〇」とか「変〇村」とか、そんなノリのところなんじゃないか。映画通ならそういうイメージが浮かんできそうな感じです。

 本編は「村長」からのメッセージという形で、狭嵐町(はざまらしまち)の概要について語られます。
 もしも町の名前を間違って「きょうらんちょう」などと呼んでしまうと、身の安全が保証されないという。

 ……この感じ、覚えがある。「県名」の読み方を間違って「〇〇〇ギ県」とか呼んだりすると、「この、ごじゃっぺが!」と胸倉を掴まれるような土地も(北関東辺りに)実際にある! それに通ずる怖さを感じました。

 読めば読むほど、「不穏な情報」がちらほらと目につくように。
 移住した人についての説明。その先での「大祭」についての話。
 この町の原住民と「旧住民」との間で起こったという話。

 おいおい、なんなんだい、この土地は! この土地に住んでいるのは、本当に「人間」なのか……!?

 読めば読むほどヤバさが伝わってくる。
 どこかへ旅行、または移住する時には、しっかりと「説明」を読んでおくことが必要だと痛感させられました。
 「あの時、ちゃんと紹介文を読んでおけば」。本作は、そんな風に後悔しないで済むための、「予行演習」ともなる一作です。

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