マイナス１℃の初恋は夏空に消えていく

私が先生を好きって言ったら先生は困る。だから決めたの。なにも言わずに卒業するって―――
美術部員の小鳥遊いろは(タカナシイロハ)は顧問である桜羽(サクラバ)に密かに想いを寄せていた。卒業を控えた高校３年の夏、桜羽が女子生徒に告白されている現場を目撃してしまう。教師としての立場を崩さない桜羽。いろははその光景に自分を重ねた。良い生徒を演じたところで忘れられる立場。桜羽への『好き』という感情がいろはに圧し掛かり苦しめていく。終わらせたくても終わらせられない。決まっている恋の結末をいろはは変えることができるだろうか。先の見えない恋のトンネルの出口を自らの手で切り開き進んでいく。