普通になれないふたりの普通

彼の名前は、光（ひかる）だった。
少女のような外見を手に入れ、少年としての自分を失っていく中で──
唯一、自分を知ってくれている人がいた。
彼女の名前は、詩織（しおり）。
「だいじょうぶ。灯（あかり）って呼んであげる。あなたはもう、ひとりじゃない」
与えられた名前、与えられた家、与えられた未来。
壊されたはずの心が、誰かの手の中で再び形を成すとき、
それが愛か、依存か、支配か、自分でもわからない。
けれど──それでも、灯は詩織のそばにいた。
生きるために、愛されるために。
傷つけて、傷ついて、
それでも一緒に歩こうとするふたりの、
静かで痛切な、再生の物語。

書いているのが初心者なのでアドバイスなどがあれば遠慮なく言ってください