概要
「千尋は、俺が斬る」剣奇小説の幕開けから結末へ。
剣奇小説とは、剣/刀の宿す奇なる“もの”と、それに抗(あらが)う人の奇縁とを、相応の文体で語る奇譚である。
[カクヨムコン短編部門参加作品を改稿し、連載版として錬十郎、浄心、千尋と剣(刀)にまつわる奇なる因縁との始まりから結末までを語ります]
――その声を聞けば、我が身は揺れる――
平家一門が壇ノ浦に沈んで間もない頃、兄の打った刀を持って行方知れずになった従妹を探す錬十郎は、伊予国桜井村で幼い僧の浄心と出会う。四国八十八ヶ所を巡る浄心だったが、「次の札所・伊予国分寺への道を通る者はみな、平家の落武者・平征重(たいらのまさしげ)の刀を持った女に斬られて命を落とす」と村人から聞かされる。女の正体を確かめるため、あるいは満願成就のため、国分寺への道をたどる二人だったが、征重の真実と浄心の言葉をきっ
[カクヨムコン短編部門参加作品を改稿し、連載版として錬十郎、浄心、千尋と剣(刀)にまつわる奇なる因縁との始まりから結末までを語ります]
――その声を聞けば、我が身は揺れる――
平家一門が壇ノ浦に沈んで間もない頃、兄の打った刀を持って行方知れずになった従妹を探す錬十郎は、伊予国桜井村で幼い僧の浄心と出会う。四国八十八ヶ所を巡る浄心だったが、「次の札所・伊予国分寺への道を通る者はみな、平家の落武者・平征重(たいらのまさしげ)の刀を持った女に斬られて命を落とす」と村人から聞かされる。女の正体を確かめるため、あるいは満願成就のため、国分寺への道をたどる二人だったが、征重の真実と浄心の言葉をきっ