2話まで読んだ時点で思いました。
レビューのために読むのは、これでもう充分だと。
フランチェスカ=ザビエル。
この名前を思いついた時点でもう強い。
けれど、本作の魅力は名前の一発ネタではありません。
聖書の引用。スペイン語。ザビエルの逸話。
それらを知識として説明するのではなく、全部ギャグとキャラクター造形の燃料にしている。
そして何より、読んでいて「面白い絵」が浮かびます。
映像が浮かぶ小説は珍しくありません。
でも、面白い映像が浮かぶ小説は、そう多くありません。
フランチェスカが聖句を引用する。
一瞬、シスターらしい荘厳さが漂う。
次の瞬間、全部台無しにする。
そのテンポとケレン味が抜群です。
特に好きなのが、フランチェスカが「ザビエルのポーズ」を取る場面。
多くの日本人なら、教科書で見たあの肖像画を一瞬で脳内に思い浮かべるでしょう。
キャラクター。出自。歴史ネタ。ギャグ。視覚イメージ。
それらを、ほんのわずかな言葉で一気に立ち上げる。
読者の頭の中にある共有イメージを呼び出すのが、とにかく上手い。
第二話も見事でした。
聖フランシスコ・ザビエルの生涯を大真面目に説明した直後、時は流れて現代。
その末裔は、教会でゲームをしています。
ずるい。笑
中身はスラップスティックなドタバタコメディなのに、読み終えるとなぜかザビエルや福音書に少し詳しくなっている。
笑っていただけなのに、教養まで少しついて帰ってくる。
この味は、なかなか他では読めません。
そして本作は全226話、完結済み。
私はそのほとんどをまだ読んでいません。
ただ、どうしても気になって、最終話だけ先に読みました。
……完璧でした。
第一話で脳裏に焼き付いた「あの姿」が、長い物語の最後でもう一度現れる。
ギャグはギャグのまま。
でも、226話分の人生を通過したぶんだけ、同じ言葉と同じポーズに意味が増している。
こんな締め方、大好きです。
なぜ、この作品が書籍化されていないのでしょうか。
理由は私には分かりません。
ただ、もし本屋でこのタイトルと、得意げにポーズを決めるフランチェスカの表紙を見つけたら、私はたぶん何も知らなくても手に取ります。
玉石混交のWEB小説。
だからこそ、ときどき明らかな「玉」に出会うと嬉しくなります。
本作は、私にとって間違いなくその一作でした。
まず第一話を読んでみてください。
レビューとして言いたいことは、もう充分です。
あとは個人で読みます。