常識が通用しない――それは拡張された恐怖の温床と静と動の脅威の抱擁
- ★★★ Excellent!!!
暗渠化された地下を流れる水脈のようにヒタリヒタリと迫り来る静の怨念。
標的を確実に死に至らしめるべく、ダイナミックな流体としての動の脅威。
静と動とを巧みに操る変幻自在な存在に包み込まれ、あなたの心は揺さぶられ、翻弄されてしまうかもしれません。
仲間の命が危ぶまれるシーンに肝を冷やされ、追い打ちをかける描写には心底から打ち震える――それはまるで背後から首元を押さえつけられ溺死させられるような息苦しさに似ていると感じます。
生命の危機が迫り来る。
常識が通用しない恐怖と悲嘆。
そこにありもしない水という存在感が回避不可能な戦慄で臓腑を侵す怪作。
瞳が震えるような忘れることの出来ない没入感を堪能できますよ。