「恐怖」の源泉を熟知したホラー作品です。

惨劇、この言葉だけで十分私は恐怖を感じます。

本作の魅力を最初にご説明するならば、タイトルにも書きましたが「恐怖」の源泉、それは登場する「人物」に他ならず、そこをしっかりと書き込まれている事です。

ホラー小説において、叙述としてテクニカルな表現を書く事が出来る書き手なら、必ず一定の「恐怖」を演出できます。また、ストーリー構成というか作品構造を巧みにする事が出来る書き手なら、やはり同じく必ず一定の「恐怖」を演出できます。

ですが、私がホラー作品において最大に大事にするべき事、それは「人物」にあると考えます。あらゆる小説にも言える事なのですが、「人物」に「リアルさ」と「共感性」があり、それゆえに「圧倒的に感情移入」が出来るかどうか、これが「傑作ホラー」と「凡庸なホラー」の分岐点となります。

「人物」の魅力を引き出せるかどうか、それが「恐怖」の源泉なのです。

さて、本作にはその「人物」像が様々しっかりと書き込まれており、その魅力を引き出すに十分な筆力を伴なう事により、設定と構成と仕掛けが十二分に発揮される傑作であると思います。

この思いますと言うのは、恥ずかしながら時間が足らず、最新話に到達していないのですが、途中でもそれが十分に伝わる事と、カクコン10が終了目前という事もあり、こちらのレビューを書かせて頂いております。

お勧め致します。

まるで映像化を目的としている様な素晴らしい構成と様々な人物像が、飽きさせずに次へ次へと読み進めさせてくれます。こちらは「劇的なホラー作品である」と確信をもってお勧めさせて頂こうと至りました。

皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)

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