素朴な風景描写と鮮烈な色彩。そして怪異は、そこに静かに混ざる

主人公が子供のころに体験した怪談話です。
でもそれは、“怖い”だけではなく、静かで物悲しくもあります。

ぞっとするようでいて、寂しさと悲しさがあり、
寂れているようで、美しい。



素朴な漁師町の描写がとてもうまく、見たことのない町なのに、まるで思い出のように脳裏に思い浮かびます。

そこに足されるのは、鮮烈な赤蜻蛉と、彼岸花。
彼岸花は動物除けであり、また結界でもありました。


死した者がこの世に現れるのは、願いを、執着を持っているから。
それがどんなものであれ。


静かに心に響く怪談話です。
ぜひご一読ください。

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