一ノ宮ひだ

顔も名前も知らないこのほしを生きる者たち、 そして最愛なるあなたへ。 これは次元をも超えて紡がれる愛の独白。 声も顔もカタチさえもわすれてしまったあなたへ、この『ほし』から愛と祈…

短歌らしきもの

静かな川辺の古本屋で働く葉月は、水曜日にだけ訪れる青年に心を惹かれていく。名前も知らないまま、光と沈黙の中で育まれていく淡い想い。ある雨の日、彼が手渡した一冊のノートが、ふたりの…

別れは　静かに海へ還る　まるで花のように 去っていった人と伝えられなかった言葉 想いを込めた十首の短歌連作

短歌連作です。 X（@kurage_pancake）で発表した短歌の中から「夜」をテーマに10首選んでいます。

恋ってしますか、それともしない人ですか。 英語の接頭辞「a」は否定を表すもの。 たとえばAromantic（アロマンティック）だと、他者に恋愛感情を感じ「ない」人。 Asexu…

双子の姉妹の当たり前の別れ。 うみべひろたさんの 水平線純文学＆文芸フェス https://kakuyomu.jp/user_events/168186221740408086…

賃貸の二階に引っ越したシングルマザー。 ある夜、街灯の陰から部屋を見上げる、不気味な人影に気が付いて……

蒼白に揺れる紫陽花、湿った土の香り、静寂に包まれた教室。 風に揺れる二つの影――少女たちは、誰にも見えない暗幕の向こう側で、言葉の代わりにただ唇を重ねる。 紫陽花の花びらが散…

僕と先輩が学校からの帰り道によく立ち寄る喫茶店。 そこでいつものようにお茶をしていると不意に先輩が尋ねてきた。 「これ何回目？」 この喫茶店でタイムリープが起きていることに気づい…

花言葉と共に花を売る物語です。

主人公の紗弥は異性と付き合うと、ことごとく一年で別れる。意地でも続けてやろうと決めていたが、今回も同じ。一人軽オープンカーのコペンで傷心でドライブに来たとき、ひょんなことから失恋…

寒く、暗い、冬の夜。白い世界に広がる小さな思いを数編だけお届けさせてください。

長いこと一緒に過ごした恋人が、遠くで暮らすことになり……。 彼女は残ることを選びました。

実った恋。実らない恋。 果たして、どちらが幸せなのだろう。

何も目的を持たずに生きることは人を空虚にしかねません。私たちは私たちが目指す未来を見つめ続ける必要があるのです。

人里離れたローカル線の駅で、間違えて降車した私は夜空を見上げた。 そこに拡がっていた光景に、私はしばし言葉を失った…

最近離婚したばかりのツキミは、夢で見た菜の花畑を訪れる。其処は、思い出の場所だった。 ※　4/9　大変申し訳ございません。一箇所うっかり更新してしまいました。 更新箇所は「今…

自然のままに自然を感じ、この思いを共有できたなら。

五千文字。廃墟に惹かれる「ぼく」は美術の課題の題材に、棄てられた街を選んだ。

少女と医師、音楽の話です。

JR日立駅

今日は私の誕生日です。周りの人の優しさに頼りすぎていた今日この頃。今度は私が誰かの翅になれますように。 優しさがいつかあなたを光る空へと導けますように。

KAC20247 ｢色｣投稿作品です お花屋さんってちょっとした異空間ですよね。

リアルを元にしたエッセイ、詩、または短編小説。短いので説明は割愛、作中の単語だけ並べておきます。気になるものが1つでもあれば、良ければ手にお取りください。 『金色』『図書館』『夜…

幸せを願う。 大切な人を忘れようとも、ただその思いだけを抱いて生きていく、生きていた人たちのその一幕、一瞬を。

雪によって何かを知った少女のお話。

ひとつ違いの妹と姉である『私』の執着物語です。

生まれつき色がわからない主人公は、幼い頃から「普通」であることに憧れ、周囲の期待に応えようともがいてきた。唯一、彼女を理解し助けてくれたのは幼馴染の咲希だった。しかし、家庭の不和…

時代は昭和中期。 昔、父方の故郷の村に、里帰りしていた時に会った少女、莉子と、一華は親友となり、父の故郷への里帰りの度に、遊ぶようになっていた。 その里帰りが途絶えて、直接会う事…

生得的、いわば本能的に私たちは恋をしている。

想いを寄せる「先輩」の前で、ヌードデッサンのモデルとして全裸となった「私」。出来上がった作品に描かれていたのは、その身体だけではなくて……。

　私には無いもの。違和感は心を強く惹き付ける。「好きですよ」と言った彼女の笑窪に溺れていく。 恋愛小説家として活躍する十七歳の野崎紗々。そんな彼女を献身的に支える担当編集者の名取…

大学生になって半年以上が過ぎた深月は行きつけの喫茶店に呼び出された。 呼び出したのは親友の野々華。彼女は開口一番に言う。 「ピアスを開けてほしい」 その真意を、深月はすぐさま…

どこかの誰か一人にぐらいは刺さればいいなと思って書いた短編です。

――それって、恋だと思うけど。 　女子高生の望月読子は、アルバイト先のベーカリー・カタギリで先輩にそんなことを言われ、ひたすら困惑していた。 　感情の抜け落ちたような味気ない…

三人グループ特有の苦しさに悩まされている高校二年生の紗良は、初めて学校をサボり一人でカラオケに行く。そこでメロンソーダを飲んで、紗良はあることに気がつくのだった。

私と彼女が出会ったのは、あきれるくらい綺麗な天気雨の日だった。 女子校に通う高校２年の私「阿川美里」は、同性愛者であることを隠しながら「普通の女子高生」になりたいと願っていた。…

桜の咲く季節。 何気なく薄紅色の花を眺めているとき、ふと思い出した。 高校を卒業して新しい生活を迎えるときのことを。 私は進学のために、地元を離れた。 彼女は目標のために、地元…

折り返し地点をとうに過ぎて、人生の大半を終えた。そんな季節に咲き始めた花を、いつのまにかトマ子は永遠に焼き付けておきたいと感じ始めている。 八歳年上の清子との散歩の時間はいつも…

1人の女が、練習用金属ミュートを使って夜中にバイオリンを練習している。 抑えられた音色は過去の想い出を呼び起こす。 「未来に紡ぐ前奏歌（フォアシュピール）」の未来のお話。 ※…

数分で一話を読み切れるくらいの、小さな百合(GL)小説掌編集です。

桜咲く新学期。それは教室で二人、昼食を終えた後の事だった。 「優ちゃんはさ……」 「んー？」 「好きって、誰かに伝えた事ある？」 いつまでも後ろについて来るだけと思っていた幼…

KAC2024 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2024～ 第4回お題：ささくれ ある山裾のお屋敷での、 キノコ生えそうなくらい湿度の高いお話です。

詩織は図書委員。 放課後の図書室には静かで、好きなだけ本を読めると期待していたのだけど。 図書委員の相方である川村さんに振り回されてしまう毎日。 ……から半年くらい経った中1の…

カラオケ好きの彼女と、二人で二次会をする。 マイクを握るその姿は昔とまるで変わらないように見えたけれど、変わらずにはいられなかったらしい。 彼女も、私も。 GLです。苦手な方は…

リサイクルショップで働く社員・翠子(みどりこ)は、新しく入ったアルバイトの大学生・凛(りん)に一目で心を奪われてしまう。 颯爽とした振る舞いや真面目な仕事ぶりにますます惹かれてい…