一ノ宮ひだ

　この世界は二つある。 　一つは、私たちが「現実」と呼ぶ世界。 　もう一つは、選ばれなかったとある可能性が、淡々と生存する場所――オルタネイト世界。 　二つの世界は、決して交わら…

朗読とは、声を伝って、言葉の海を泳ぐこと。 放送部に所属する女子高生・りんは、自分の声に強いコンプレックスを抱えている。どれだけ練習しても、言葉は意味を失い、音だけが残る。朗読…

【カクヨム短歌賞1首部門　応募作品】 日常の中にふと立ち現れる景色や日常。 そこに、言葉にならなかった記憶や想いが重なる瞬間があるならば。 短歌の三十一字で表現してみます。

　生前の記憶がない幽霊の少女。 　何となしに現世を漂い続けていた彼女はある日、ある場所へたどり着く。 　　『うぐいす写真館』 　小さな写真館だった。 　彼女はそこで「目が見え…

人里離れたローカル線の駅で、間違えて降車した私は夜空を見上げた。 そこに拡がっていた光景に、私はしばし言葉を失った…

　大団円もハッピーエンドもない、ただただ救いのない、１話完結の短編集。あらゆる鬱憤が溜まった時、更新していく予定です。 　救済のないホラーも、ホロッと泣ける感動も、200字で書き…

ため息の沈殿するような日々。たまたま手に入ったライヴのチケット。そのバンドが大好きなクラスメイトを誘う話です。

寒く、暗い、冬の夜。白い世界に広がる小さな思いを数編だけお届けさせてください。

世界に嫌気が差し、すべてから逃げ出したいと思っていたひとりの少女。 ある夜、そんな彼女は山奥を走る小さな汽車に飛び乗ります。長旅の果てに、夜の闇に包まれたある無人駅に辿り着いたの…

日々はただ続いていく。けれど、私は怖いのだ。 一歩前へ踏み出すことが。 波音が胸を満たす。 何かが始まるわけでも、終わるわけでもない、ただこの儚い瞬間だけがそこにある。 掬…

その作家さんは、文が、ど下手くそだった。 それでもブックマークまで付けて、応援コメントでストーカーのように繋がり、更新を心待ちしていたのは、彼女の書くものが、私の今のシチュエーシ…

黒野　豆子（くろの　とうこ）はブラックコーヒー好きな、ちょっぴり大人な高校二年生。 そんな彼女の元には放課後に相談を持ち掛けてくる人がやって来る。報酬は缶コーヒー1本なり。

　読書嫌いが本と出合う話、本好き同士が出会う話など、本から生まれた縁を描く。ほっこりときゅんを詰め込んだ日常連作短編集。 　 　どの話も単体で読めるので、気になった話だけでもお越…

児童養護施設「愛誠院（あいせいいん）」で職員として働く「菅原楓（すがわらかえで）」は高校生の頃、父親が職場の部下への強制わいせつで逮捕されて以降、母方の性を名乗り、人目を避けるよ…

日常をぽつりぽつり、綴っていきたいと思います。アラサー会社員。 ぜひあなたのぽつりもコメントください。 題名の隣の（）内は曲名です。

　全てを投げ出したくなった―― 不登校ぎみの少女、小牧エリカは、中学卒業をきっかけに、東京を離れる決意をする。新たに移り住んだのは、北海道の小さな港町。彼女が身を寄せたのは、喫茶…

仕事に行き詰まりを感じた女優、舞花。 逃げるように来た引っ越し先で、どこか不思議な絵描きと出会う。 －全15話・中編－ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 …

日常の掌編。 幼い日の味の記憶と現在と。

百合の小説です。何組かの話をやります。メインは以下の通り 葉山理緒・九重美咲 一人暮らしの大学生である理緒は、ある日迷い込んだ猫を拾う。飼い主である美咲に猫を返したことから、美…

大学生カップルの優子と紗弥は、卒業旅行として「行く宛の無い列車旅」をしていた途中、小さな無人駅で終電を逃し、一夜を明かすことになる。大学卒業、就職、避けられない遠距離恋愛。不安と…

「新田結愛」は誰にも言えない秘密があった。 それは死ぬまで誰にも告白するつもりの無い、同性への感情。 中学生の時に初めて気付いたが、それ以来その気持ちに蓋をして生きてきた。 だが…

突然辛い未来を突きつけられた女子高生翠とその女子高生に出会い好意を抱くとある女子の物語。 「私がいなくても、あなたならきっと大丈夫って言い切れるように」 　　　　　　　　　　×…

丘の上にあるキリスト教系女子校に通う少女たちの、淡い恋と想い、憧れを描いた短編集です。順番に読んで下さると嬉しいです。 女子校は進学校、中高一貫という前提で書いています。 …

大学２年生の星空瀬梨香は５年前――中学３年生の時の初恋の相手、星波つむぎのことを諦めきれず日々悩まされていた。瀬梨香はつむぎに想いを伝えられないまま、５年前の冬に突然つむぎにいな…

――「両角さん、起きて」だんだんと彼女の顔が近くなっていく。その綺麗な寝顔に少し鼓動が高鳴る。 「起きないと、いたずらしちゃいますよ」 唇が、彼女の耳に触れるか触れないか…そんな…

カフェラテが好きだった。一日中飲んでいたかった。お酒よりも、タバコよりも、何よりカフェラテがよかった。僕の人生とカフェラテは切っても切れない複雑な関係だった。

自分がその時好きな音楽や、自作品と音楽の関連などについてゆるっと書いてます。あなたのプレイリストの拡充に、微力ながらお役に立てればこれ幸いです。取り上げるのは洋楽が多め。 ※音…

私の親はもういない。一人での生活にはもう慣れた。寂しいことなんかない、そう思っていた。あの日、七瀬さんが家に訪ねてくるまでは。 その日私は病気で寝込んでいた。そして過程は省略する…

二十一歳のアパレル販売員ミツキは、同じショッピングモールで働く二つ年上の雑貨屋店員チカに、恋をしていた。女性同士の叶わない恋、不毛な片思いを捨てきれずにいた。 十一月のある日、合…

　海沿いの街、梶栗郷にひっそりと佇むファッションホテル『ピシナム』は、２０１９年２月にその歴史に終止符を打った。 　ホテルマンとして働いていた青年の磯辺は、ライターの秋山千鶴か…

雨宮美散は、自分が雨を引き寄せる「雨女」であることを自覚している高校生。日々の彼女は、雨に包まれた生活を、涙を零しながら、ただじっと受け止めていた。 しかし、ある日、都波優…

「実は、彼と結婚することにしたんだ」 先輩はわがままだ。先輩はそういう人なのだ――

1988年、米軍基地のある町。 大学生の前田冴子は、アルバイトの先輩の小沢真帆といつものようにドーナツ屋でしゃべっていた。 時々彼氏が言うような甘い言葉を口にする真帆に、冴子は……

ここは、執筆者の趣味嗜好に基づく選曲により、世界中の多彩なアーティストが手掛ける洋楽の歌詞を和訳し、紹介する短編集の置き場所です。その時々の題材となる音楽を無限ループしながら、場…

ただ音楽に身を預ける少女は、夜の匂いを辿ることでしか救われなかった。 行き場のない日々を繰り返す中、出会ったのはギターを抱えたもう一人の迷子――星になりたいと夢見る少女。 冷た…

入間人間公式サイト『入間の間』がカクヨムにお引っ越し。 あなたに刺さる物語がきっと見つかります。 ☆2020年TVアニメが放送される 『安達としまむら』の情報はこちらから。 …