Akira Clementi

眼科医としての熱意を失い、惰性でクリニックを営業している医師の吉山。彼には眼鏡収集という唯一の趣味があった。 しかしわざわざ遠方まで買いに行くほど惚れ込んだ眼鏡を使い始…

　肌寒くなってきた秋の夜、僕はきみに恋をした。 　窓ガラス越しに紡がれる恋の行方は。

　糊口をしのぐ為に、故郷へと帰ってきたJリーガーの遥斗。プレーの完コピを得意とする彼であったが、子供時代の一件がきっかけで心を凍てつかせたがゆえに、どうしても試合に出る為の条件を…

※掲示板スタイルで書いた作品です。横書き表示でお楽しみいただけると幸いです。 2023年の夏、とある掲示板にこんな話が投稿された。 入ってはいけない廃屋。「風鈴の家」と呼ばれる…

　高校の卒業式というおめでたい日に、あたしは幼馴染二人のキューピットになった。めでたいことだ。そう、とてもめでたい。あたしの大切な幼馴染同士がくっついたんだから、幸せなはずなんだ…

　午前二時。雨が降り出しそうな空模様。いつもであれば寝ているはずの時間だったのに、僕は寝静まった街を駆けていた。逢いたい、逢いたい、きみに逢いたい。今すぐきみとひとつになりたい。…

　のんびり屋で面倒くさがり、とっても素直で嘘がつけない。そんなバクのエルクラートが営む夢喰屋には、どんな悪夢も残さず全て喰らってくれるという噂があった。 　クセツヨ主人公エルク…

実況：谷垣（KACアナウンサー） 解説：加賀（トリノ大会金メダリスト）

　人型でありながら夢を喰らう魔物であるバクは、最近同じ夢を見ていた。 　友人に誘われてでかけた先で食べた、絶品角煮の夢を。 　ときに夢の中に溶け込むという性質があるバクにとって、…

寝ている間に首にリボンを巻かれ、王様への貢ぎ物にされていた僕。そんな僕を見て、王様はくすくすと愉快そうに笑った。

　ひとりで入ったダイニングバー。そこのカウンターで出会ったきみは、なんとも美味そうにビールを飲んでいた。 　そんなきみと出会った夜に僕の中に生まれたものを、僕は一生忘れない。

　親戚の萌絵姉さんが死んで、飼っていた猫を引き取ることになった。 　モフモフのノルウェージャンキャットで、名前はナトリ。 　そんなナトリが、我が家の雅な呪いを蹴散らした。

本物の海を知らないラッコが紡ぐ、小さな愛の物語。妻が若干バイオレンスなので一応暴力描写ありにチェックを入れていますが、流血シーンはございません。 リロくんのご冥福をお祈りいたしま…

　私が所属するゼミが夏におこなう恒例行事といえば、曰くつき廃村でのキャンプ。正気を疑うイベントだけど、今までなにも起こっていなかったんだからと思って、私は今年も参加した。 　そん…