激しい「衝動」を綴った本作。強い「共感」を覚えずにはいられませんでした。
主人公の「僕」は夜中に強い「恋心」に振り回されることに。いても立ってもいられなくなり、午前の二時、雨が降っているところで外へと飛び出す。
恋心に突き動かされる先へと。彼が向かうのは……コンビニだった。
その恋心を向けるべき対象。もちろん深夜勤務の店員なんかではない。その、正体とは……
彼の「それ」に対する想いがとても切実で、もしも深夜にこれを読んでいた場合、間違いなくその想いは「感染」していただろうと思いました。
たしか、その「味わい方」が正解だ! そのように耽溺することこそが、「それ」に向き合う一番の作法なのかもしれない。
そして、結末は切ない。切ない……のだが、ラストに彼が取る決断を見て、「まあ、そうなるよね」と頬が緩むのがまた良かったです。
何も唯一無二ではないのだから、意地を張らず、自分に正直な行動がとれる彼に、すごく好感が持てました。