とても素晴らしい、「とある一瞬」を描き出した作品でした。
あまりにも美味しそうに酒を飲んでいる女性を見つける。
彼女がどんな人なのかと興味を惹かれ、ふとした瞬間に声をかけられる。
幸せそうにしている人を見ると、きっと「日常が充実している人」に違いないと感じるが常です。
でも、人の内情なんてわからない。どんなに満たされていても不満そうにしている人もいれば、逆にどん底にいてもキラキラとしている人もいる。
何が幸せで何が不幸か。
本作は、そんな凝り固まった「一つの価値観」を爽やかに吹き飛ばしてくれる作品でした。
とある「決意」を固めてその日を過ごしていた主人公。その彼が、楽しそうにしている彼女を見て、更に彼女の事情も知ることになる。
そうして、自分を支配していた「ある考え」と決別することに至る。
ラストの文章がまたとても良い。
この物語の「先」の時間が端的に示され、これから起こるであろう様々な出来事が自然と頭に浮かんでくる。
読んだ後に幸せな気持ちになれる物語でした。