「円城塔賞 お題フェス11」を含む小説

　神話は、何を語り、何を語らないのか。 　世界卵神話において、 　決定的な「破砕の瞬間」は記録されていない。 　注釈官の視点から描かれるのは、 　世界ではなく、世界を理解しよ…

▼香流公園の池の真ん中にある東屋は、ある条件が揃うと二十年後とつながるらしい。 ▼条件とは、『東屋のベンチの下に敷かれている砂利石を一つ拾うこと』と、『二十年後の同じ日に、拾った…

君は地球にいない。 僕がようやく辿り着いた答えはそれだった。 「なるほどね。じゃあ聞くけど、あなたの目の前にいる私は何者？」 僕は彼女の問いに答えられなかった。 いったい彼女は…

ある日、主人公の秋月凛空の前に、大きな船が現れる。凛空は何かに導かれるように、その船に乗る。そこには船長の海、そして、明日がどうなるか、確信を持てない人たちが乗っていた。その船の…

本編『その恋愛フラグ、折らせていただきます。』のスピンオフ（こちらから読んでも大丈夫です！）。 モブ志望のオタク女子・彩葉一心と、学校一のモテ男・九重透。 「友達βテスト」とい…

【警告】 本テキストデータは、四百文字という記述制限下において発生した「知的生命体」の観察記録である。 彼らは環境の狭小性を克服するため、モニター越しの観測者である「あなた」への…

本調査は、差出人不明の依頼書に基づき実施された。依頼書には黯浦村の座標と、以下の一文のみが記されていた。 『住民は皆、同じ夢を見ている』 民俗学的観点から、集団夢共有の事例と…

　203X年、突如現れた宇宙人に地球は宣戦布告をされた。 『これからそちらの人口、上位20ヵ国とスポーツで戦う』 　種目は既にある、その国で広く知られているスポーツなら何でもＯＫ…

「お願い、私を見つけて！」 そうお願いされたユウは、幽霊に頼みごとをされると言う未知の体験をする。 親友のセセラと山にハイキングにやって来たユウ。 しかしこの山では少し前にクマ…

　誰もいない深夜の小部屋。 　マウスを扱っていた主人公は恐ろしい目に遭遇する。 　ある意味それは、これまで動物実験という名目でやってきた行為の報いであり……。 （以前に投稿した…

向野海は、幼馴染の未来叶への秘めた想いと、後輩・加古野未琴からの告白に揺れる高校生。返事を保留にしたまま迎えた日、海の前に現れたのは、自分と瓜二つの謎の存在。 不可解な存在に導…

お花屋さんで働く女性・羽月（はづき）が眠っている間に……現れたものは？

見知ったはずのものが、急に知らないもののように感じられたら？

教室にも家にも居場所のない陽平は、今日も友達に会いにプールへ向かう。友達はちょっと変わった見た目をしているけど、気のいいやつだ。けれど夏休みの終わりとともに、友達とは会えなくなっ…

　ミチ。 　そう読める。 　赤黒い血でミ。その下。五時の方向にチ。 　そして。チの最後の払いに。 　人差し指と中指が、被さっている。 　指は手。手は腕。腕は体。 　背中に無数の刺…

円覚寺で、不可解な怪異が起こり始めた。境内に持ち込まれた卵だけが、殻を破られることなく、中身だけを失っていく。合理主義の若き住職は、犯罪心理学者・高瀬聡子の助力を得てその謎を追う…

【カクヨムコン11 短編】エントリー中 100%会話劇なので、何も考えずにサクサク読めます。 火星探査データを解析する深夜のコントロールルームで、同僚の男はぼやいた。 「ど…

現代の街に溶け込み、カウンセラーとして活動する「彼女」。しかしその正体は、古の時代から人間の欲望を糧に生き長らえてきた、人ならざる捕食者だった。 相談者の心が軽くなるほど、「彼女…

小学校で飼育係を務める少年と動物を愛するクラスメイト。 放課後の世話と何気ない会話が彼らの日常だった。 善意と無自覚が交差する中で少年は選択を迫られていく。

高校生のオタク男子・蜃界マコトは、友人のチカオに「先週、異世界で魔王を倒してきた」と唐突に語り始めた。 女神から授かったチート能力は「確定させる能力」――シュレディンガーの猫のよ…