「ダイアログ・イン・ザ・〇〇〇」。これは確かに数奇な体験

 これは、話には聞いたことはあったけれど、今も開催されていたとは。


 筆者が体験したとあるイベント。その中でホームパーティーらしきものに参加し、ちょっとした手触りなどをもとにして座っている椅子の感触を楽しんだりとか、コーヒーなどの香りや味などを堪能する。

 これはどういうイベントなんだろうと、読み進める中でいくつか「ん?」となる描写が出てくる。
 「コーヒーの色はこの会場と同じように真っ黒なのだろう」とか。「缶コーヒーでもあるまいし、なぜそこが『だろう』なのだ?」と不思議に思う表現が。

 そうした「違和感」を随所に散りばめつつ、最後で明かされるイベントの正体。なるほど、たしかにそういうイベントって行われてる話は聞いたことがある。

 噂に聞くような特殊イベント。それに参加してみた筆者の体感描写がとても面白い。「だからこそ」な表現が各所に紛れ込まされることにより、「伏線」みたいにラストで答えに繋がっていく。

 体験エッセイとしても楽しいし、「これはどういうもの?」とわずかな手がかりから事実を紐解く小説として読んでも楽しめる、新鮮な体験をもたらしてくれる作品です。