ホームパーティというと、何だかアメリカの休日みたいなイメージが湧きますね。
日本だとちょっと裕福な家庭がやってそうなイメージですが、実際のところどうなんでしょうか。
私ですか?
地方の古臭い魚屋育ちなもんですから、そういうものは縁遠かったですねぇ……。
そんなホームパーティにお呼ばれした筆者様、最初にステッキなんか渡されて、ちょっとした紳士気分でしょうか?
と、読み進めていくうちに、何だか違和感が。
お、おんやぁ~?
多分勘のいい方なら途中から察しが付くはずですが、これがただのホームパーティではないんですね。
そして、これがミステリ小説の導入部などではなく、エッセイだというのもなかなかに面白い。
何というか、文字通り「見えている世界」が違うな、と感じさせる書きぶりでした。
多角的な視点からの「見る」を感じることができる本エッセイ、是非とも一度お目通しいただきたいです。
ヒントとなるワードをちらほら埋め込みながらも、ネタ明かしは最後までとっておくところが、さすが"物書き"という感じ。
(私ならば、だらだら日記のように書いてしまい、読み手をさっさと飽きさせてしまうことだろう……)
エッセイのジャンルでも、日頃の作者さんらしさを感じられる作風に仕上がっており、推しとして嬉しかった。
有名人なら、それだけでも日常に興味を持たれ、エッセイ本を手に取ってもらえるのだろうけど、こと一般人のエッセイを読み続けてもらうのって、技がいることのはず。
……という前提で以て、私はもっと、今後も咲野さんのエッセイを読んでみたいなと個人的に思った👏
つまりひとつの作品として、面白かったということです。
『手』というお題から、浮かび上がってきた記憶。人のつながりの大切さを思い出させてくれるストーリーが、ここに。
是非ご一読を🤲^^
誰もが知る住宅会社のショールームの一角、そこで行われるあるイベントに筆者は参加したらしい。
「皆様にはこれから、秋のホームパーティーをお楽しみいただきます」
というスタッフの女性のアナウンスでイベントが始まる。
事前にステッキを渡され、使い方をレクチャーされます。
この時点でこれがなんのイベントか、察しのいい人は気づくんじゃないかと思います。
ある部屋の中に入ると、筆者は目の前にいる人の肩に手を置いて、恐怖心を感じながらも、目の前にあるものを確認しながら、慎重に先へ進んでいく。
さて、皆さん、これがなんのイベントかわかるでしょうか?
答えは実際にこの作品を読んで、確認していただきいです。
これは、話には聞いたことはあったけれど、今も開催されていたとは。
筆者が体験したとあるイベント。その中でホームパーティーらしきものに参加し、ちょっとした手触りなどをもとにして座っている椅子の感触を楽しんだりとか、コーヒーなどの香りや味などを堪能する。
これはどういうイベントなんだろうと、読み進める中でいくつか「ん?」となる描写が出てくる。
「コーヒーの色はこの会場と同じように真っ黒なのだろう」とか。「缶コーヒーでもあるまいし、なぜそこが『だろう』なのだ?」と不思議に思う表現が。
そうした「違和感」を随所に散りばめつつ、最後で明かされるイベントの正体。なるほど、たしかにそういうイベントって行われてる話は聞いたことがある。
噂に聞くような特殊イベント。それに参加してみた筆者の体感描写がとても面白い。「だからこそ」な表現が各所に紛れ込まされることにより、「伏線」みたいにラストで答えに繋がっていく。
体験エッセイとしても楽しいし、「これはどういうもの?」とわずかな手がかりから事実を紐解く小説として読んでも楽しめる、新鮮な体験をもたらしてくれる作品です。