夏目漱石の有名な一文のオマージュから始まります。言葉に対する嫌いと好きについて書いてあり、そこには「言葉は世界を削り取る」ことが冷静な視点で書かれています。嫌いが好きの対極にあるのではなく、背中合わせで隣り合わせなものとして感じられている様子も、私はとても共感できました。その感覚が物書きとしての初心を思い出させてくれる、そんなきっかけをくれる素敵なエッセイでした。
とても丁寧な原点回帰。この感覚は忘れていた。思い出させてくれてありがとうを伝えたい作品。無限の世界から、他人の定めた形式を押し付けられる不自由さを重苦しく感じ、あるとき名作とは無限の広がりを美しく収束させた美術品だったことに気付く。そうなると、自分には出来ないことが悔しくて、好きなのに嫌悪感が浮かぶ。好きになれるまで続けるしかない、言葉使いの業を表現している。
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かんろう様の繊細ながらも丁寧な文章に思わず、のめり込んでしまいました。語彙力がなくて大変申し訳ないですが、素敵な文章で、もう終わってしまったの?と思ってしまいました。拝読させて頂きありがとうございました。
言葉を嫌いながらも離れられないという矛盾が、静かに胸に刺さる作品でした。五感で捉えた世界の豊かさと、文字に収める不自由さの対比が印象的で、特に「言葉は世界を削り取る」という認識と、それでも救われてしまう感覚の共存がリアルです。物書きであること自体が葛藤であり、同時に救いでもある。そのねじれた関係性が、誠実に、そしてどこか切実に描かれています。
言葉が嫌いな物書きによる、静かな自己解剖の随筆。幼い頃、世界はもっと自由で、もっと鮮やかだった。しかし成長するにつれ、その豊かさは「文字」という記号に括られていく。嫌悪しながらも言葉に惹かれ続ける矛盾。世界を狭めるはずの文字が、逆に自分の世界を広げてしまう不思議。読むことも書くこともやめられない理由を、丁寧な感覚描写と内省で描いた作品です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(15文字)
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