禁忌の力を手に入れ、追放される主人公。
しかしその裏には、過去に同じ力を手に入れたとある人間の行動があった。
そんな2人のネクロマンシーが繋ぎ止めていく「愛」が交錯していく話です。
最初こそ、主人公の成り上がり建国のように話が進んでいきますが、その中でも「未練のある者」だけをこの世に繋ぎ止めるという「今世への愛」を司る能力であることが段々と分かっていきます。
そして最後には今と過去のネクロマンサー2人とそれを取り巻く世界全体の話へと変わっていきます。
私の個人的解釈になりますが、この作品は終始、「死」という形を使って「愛」を綴った話だと感じました。
美しい死生観と愛を綴った作品を読みたい方に是非オススメします。
8章まで読んだ感想を書かせていただきます。
題名とか物語の導入で「テンプレな追放系かな?」と思ってましたが、全然違いましたね。
主人公の能力が戦闘面ではあまりいかされないんですよね。
この手の物語の主人公って、有能なのに追放されたり、凄く強い能力なのに追放されたり、で後に女の子にちやほやされるだけなのが多いのが現状です。
しかし、この物語の主人公は死人を蘇らせることができて、意のままに操れるのかと思いきや、人間のように自我を持っている、そして、主人公が戦闘面で活躍できないように調整されているのは他の作品だと見たことないかなって思いました。
意外と、心情の描写もしっかりされていたり、国作り、他国との交流、他国との戦争、場面の展開の仕方が読者に対して飽きさせない作り、無駄ない話作りをしていて良い作品だと感じましたね。
wed作品のなかでは、いい意味でテンプレなように見えて外れている作品なのでタイトルで「いつものやつかよ」とは思わず、読んでみることをおすすめします。
第1話から第7話まで、一切の無駄がない完璧なプロット構成に脱帽しました。
父親の「獄炎」という正義の象徴が、愛する者の命を奪う「悪」として機能し、忌み嫌われる「ネクロマンシー」が命を繋ぎ止める「光」となる。
この価値観の反転がもたらすカタルシスは、まさにWeb小説の醍醐味と言えるでしょう。
特に、主人公の心理描写が丁寧で、単なる「俺TUEEE」に逃げず、力の恐ろしさに怯えながらも覚悟を決める過程が描かれているからこそ、読者は深く没入できます。
ガレオンの蘇生を通じた「村の長」としての覚醒も、物語に重厚なテーマ性を与えています。
緻密な構成力と圧倒的な筆力で描かれる、ダークファンタジーの新たな傑作の誕生を確信しました。
いきなり死者を蘇らせる禁忌のなかの禁忌を犯す展開から、死者の大軍団による復讐劇でも期待してしまう読者をよい意味で裏切ってくれます。
物語の構造はいわゆるチート開拓、領地経営に属するものですが、この物語を異質なものにしているのは、常に隣にある「静かな死」への向き合い方。
一貫しているのは、生と死への、静かな寄り添いと敬意。ここまで死への敬意を感じる作品は見たことがありません。
特筆すべきは、その筆の静けさ。
作中、何度も「ワクワクする胸躍るようなバトル」が描かれますが……その隣にある死を思い、その眠りと静穏を妨げないように、とでもいうような、静謐な筆遣い。
設定もキャラクター造形もストーリーも言葉選びも、全てが死への敬意のために。
お腹が空いた、と誰かが言うとき、共に報われた温かさを感じられます。
禁忌の魔法【ネクロマンサー】を授かった少年と、その侍女である少女の物語。
死を超えて輝く強い結束力は時代や文化を超えて愛されるテーマだと思います。
そこには永遠があり、揺るぎない愛があり、自らの運命を自らの手で切り開こうとする強さがあります。
個人的に気に入っている部分は、敵対関係にある人物として描かれている家族たちで、父にしろ弟にしろ、この先の物語で主人公の好敵手として現れるのだろうなと期待を持たせる冒頭になっています。
そのため、この先のシーンで彼らがどんな対話をし、どのようにして彼らへと打ち勝っていくのか、そんなことが楽しみになる作品だと思いました。
クロムとジーノ。
兄弟間の争いは尊い!!