涙の意味を教えてくれる、あたたかくて、やさしい物語。

涙は、『記号』だ。涙は、自ら御せない程に感情が昂っていることを、周囲に示すサインだ。

だから私たちは、涙に『嘘』をついてしまう。何も感じずとも涙を流すし、涙を流したくても、必死に堪えることもある。あざとい演技だったり、大切な誰かへの思いやりだったりもする。

涙医師・逢坂透の治療とは何か? そんな人間関係の中で凝り固まった涙を、本来あるべき姿へと還すことが、彼の治療ではないか。

涙は、『あたたかい雫』なのだ。涙は、言葉に出来ない想いが抑えきれずに、溢れ出した証なのだ。

そう思い出させてくれる、あたたかくて、やさしい短編。
是非お読み頂き、この読後感を体験頂きたいと思う。