少女が女となる様を描く、甘く毒々しい短編。

ハナコドモ、ハナオトナ。

冒頭から独特の単語が登場しますが、本作の主題は『子どもから大人になること』あるいは『少女から女になること』なのかと感じました。

独自の単語や世界観は、主題を甘く毒々しく表現するための手段の様に思えます。

主人公の少女が抱えているであろう感情は複雑です。

大人になることへの嫌悪、違和感、不快感。
一方で、身体が成熟することによる、諦観にも似た、静かな受容。

少女が女になること。それを、甘くて毒々しい言葉で綴った、稀有な短編です。

本作には性行為や性産業を暗喩すると思われる表現が出てきます。苦手な方はご注意下さい。

その他のおすすめレビュー

ages anさんの他のおすすめレビュー161