美しくも怪し気な物語、心を掴まれます!

穂積叔父さんが亡くなり、彼の家である古い日本家屋を継ぐことになった甥の穣。
ところが、離れの方に家政婦が住んでいた。
瑠璃という名の若い女性。
彼女は、次の仕事が見つかるまで離れに置いてくれと言う。穣は条件付きで承諾。
こうして、古い家の中での二人の生活が、幕を開けるのだが……。

リュウノヒゲという植物がつける美しい実。
その実のことを、「竜の卵だから、人間は触っちゃいけない」という叔父さんの怪し気な言葉から始まる本作。
その後も瑠璃という人物を通して、どこか怪し気な雰囲気を感じながら読み進めていきますと……とても美しく官能的な物語世界へと誘われていくことになりました。

移り行く季節の中での、穣と瑠璃の暮らし……二人の心が徐々に触れ合い、近づいていく様子に、心を動かされること間違いありません!

是非ともご一読を!



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