それでも彼らは彼女と共に生きる
- ★★★ Excellent!!!
叔父から古い日本家屋を引き継いだ穣。そこにいたのは瑠璃という名の謎めいた家政婦。
この家の離れに住んでいたという彼女は、次の仕事が決まるまででいいからしばらく住まわせてくれと言う。
そこから始まった二人の共同生活。瑠璃はどこか人間離れしたような雰囲気を持っていて、穣も薄っすらとそれに気付いています。
けれど、彼女に惹かれてしまった穣はもう引き返せない。
瑠璃が何者なのか察していても、そしてその先に何があるのか予想がついていても、穣は瑠璃を求めてしまいます。
瑠璃との幸せな日々を送るための代償はあまりにも大きい。それでも穣は彼女を手放す気はないのでしょう。
幻想的な情景の美しさの中にほんのりとした怖さの光る、人と怪異の物語です。