龍の卵
- ★★★ Excellent!!!
叔父が倒れ、その家を継いだ。
様々な草木に彩られた庭で、瑠璃色の玉を見た。リュウノヒゲという多年草の実だった。龍の卵であり、人間は触れてはならないと生前言っていた。
叔父の家には、家政婦をしていたという瑠璃を名乗る女性がいた。予期せぬ彼女との共同生活が始まる。どこか不思議な言動が垣間見える家政婦。
季節が移り変わり、瑠璃との仲が深まる。きっと彼女に惹かれていたのだろう。美しい浴衣姿の彼女を抱き寄せながら、叔父の警句を思い出す。
人間はけっして触れてはいけないよ。