喫茶店を舞台に織りなす、時に優しく、時に悲しい人間模様

突然目の前に思い出の人が現れたらほとんどの人は困惑するでしょう。それが一目でもいいからもう一度会いたいと思っていた相手なら咄嗟に声をかけてしまうかもしれません。

【呪いのバリスタ】と噂される青年・悠介は、見る人によっては彼のことが別人の顔に見えてしまうことがあるという、不思議な体質(?)の持ち主。それで相手が距離を保ってくれればまだ良いのかもしれません。でも別人だと理解した上で思い出の人との時間を彼に求めてしまう人もいます。そのせいで悠介は、自分はずっと誰かの代わりなのだろうかと思い悩んできました。
悠介自身、望んでそんな体質になったわけではありません。至って普通の青年です。それなのに彼を誰かに重ねる人達は、時にその人に対する自分の想いまでも悠介に押し付けようとする。
そして悠介が悠介にしか見えない音大生・愛佳はそんな人々に憤り、思い悩む悠介に寄り添おうと奮闘します。

【呪いのバリスタ】を見て過去の思い出を呼び起こされる人々と、彼らに翻弄される悠介、そして悠介を支えようとする愛佳。喫茶店を舞台に織りなす、時に優しく、時に悲しい人間模様が描かれた作品です。

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