後半は驚いてばかりでした

 この作品の主人公はなんとのっぺらぼう。
 普通、のっぺらぼうなんて主人公にしたら怖い作品になりそうなもんですが、この小説は終始コメディ色が強いので、ホラーが苦手な人も楽しめると思います。

 さて、その主人公ののっぺらぼうなんですが、いつものように怖がらせようと、声をかけてきた女性に目も鼻も口もない顔を見せるんですが、なんとその女性の父親の幽霊だと勘違いされてしまいます。

 どうやらその父親は事故で顔を損傷して、顔のない死体になってしまったらしい。
 
 厄介ごとに巻き込まれそうな気がしてのっぺらぼうが逃げようとしていると、今度は父親の死について捜査していた刑事が現れる。
 その刑事は主人公がその父親の幽霊であることを疑問視し、主人公がなんらかの化け物で、父親は本当は生きているんじゃないかと言い出す。

 いったい、何が正しいのか。 

 後半で明らかになっていく真相には、何度も驚かされました。
 読み終わった時にはその見事な構成と結末に、思わず拍手をしてしまいましたね。
 
 皆さんも是非この作品を読んで、衝撃を受けてください。

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