概要
しかし平成二十八年一月七日、書子の父である憲夫が事故を起こす。登校中の小学生の列へ車で突っ込み三人を殺し、二人を重体にしたのだ。しかも加害者である父は薬物中毒による心不全で、事故を起こす前に既に死亡していた。
書子はこれまで父から逃れ、自分の幸せを選んで暮らしていたことを後悔する。父を殺しておくべきだった、自分の選択が間違っていたと悔いつつ眠った翌朝、書子が目にしたものは……
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約16万8000字の作品です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!回帰は本当に幸福を連れてくるのか
モイライという言葉の意味をご存知でしょうか。ご存知であれば想像がつくかもしれません。ご存知でなければぜひ調べてみてください。
主人公の書子は、平成の時代から回帰します。そして時代は平成ではなく修文という時代となりました。
平成における幸せを手放したのは、すべて父のため。もっともこの「父のため」というのは、前向きな意味ではなく、「父のせい」と言い換えても良いでしょう。
その先に起きることを知った上で回帰すれば、人は運命を思う通りにできるのでしょうか。望んだ幸せを手にできるのでしょうか。
これは息苦しいほどにもがく、ある女性の「終わり」までの物語。
果たしてそれぞれの選択は、誰にとっての幸福だ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その願いは静かに『未来』を変えていく
この物語の主人公は夫の純一と息子の千顕と都内で暮らす書子という人です。
結婚して十五年、幸せな日々を過ごしていた書子の元に衝撃な出来事が襲いかかります。
書子の父が登校中の小学生の列に車で突っ込むという後戻りの出来ない事故を起こしてしまうのです。薬物中毒の上に事故を起こす前に死んでいた父。
その時、書子は父から逃れ、自分の幸せを選んだことを後悔するのです。
こうなる前に、私が殺しておくべきでした。
キャッチコピーにも使われているこの言葉は書子の後悔です。
離れて暮らしていても父の血の縁は断ち切れるものではなかったのでしょう。そうして眠りに落ちた書子が次に目を覚ました時、過去に戻っていたの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「父を殺す」タイムリープは目的を果たす手段と成りうるか
「モイライ」
この言葉を知らないまま最終話まで読み進めました。読み終えた後にふとタイトルの意味が気になり、調べ、それは深い、深いため息をつくことになりました。
愛する夫、息子と共に幸福な人生を歩んでいた書子(ふみこ)。唯一の汚点といえるのは犯罪歴をもつ父の存在。そしてついに父が起こした小学生を巻き込んだ交通死亡事故を機に、書子の生活はめちゃくちゃになってしまう。
「父を殺しておくべきだった」
後悔を胸に翌朝目を覚ますと小学生に戻っていた書子。彼女の目的は達成されるのか。そのために起こした行動は、書子と周囲の人々にどのような未来をもたらすのか。
タイムリープしてしまった一人の女性の一生を追…続きを読む - ★★★ Excellent!!!壮絶な女の生き様。すごい大河小説を拝読しました
すべての読者にネタバレを踏まずに読んでいただきたいです……私は毎日何が起こるかわからなくてハラハラさせてもらえるのがたまらなく楽しかったです……ぜんぜん楽しい内容ではないんですけど、毎エピソードでとんでもないことが起こるので、次の展開が予測できなくて読書体験としては楽しかったです!
タイムリープものなので、主人公はずっと1回目の人生と今の人生を比較し続けます。よって読者も主人公が1回目と2回目であまりにも違う展開がめぐってきていることを知ったうえで読み進めることになります。どこでこんなに食い違ってしまったのか……どうすればこの帳尻は合うのか……いったい何を、誰を犠牲にすれば悲劇はやむのか………続きを読む