バイト先に降る、聖夜のささやかな奇跡

こちらの作品は、「クリスマス=リア充イベント」というお決まりイメージを、ちょっと斜めから、でもすごく温かく描いている物語だと感じました。

おしゃれなイタリアンレストランでのバイト描写がとても丁寧で、料理やお店の雰囲気、個性豊かなスタッフたちが生き生きと立ち上がってきます。読んでいるだけで「このお店、絶対行きたい…!」と思わせてくれるのがまず最高です。

そしてクリスマスイブという特別な夜に訪れる、小さな奇跡。きらめくイルミネーションや、ふと降り出す雪の情景がロマンチックで、「王道なのにちゃんと刺さる」胸きゅんシーンが続きます。

さらに、視点が切り替わることで、ただ甘いだけではない感情の揺れもちらりとのぞかせてくれて、ラストには少しだけ胸がぎゅっとなる余韻も。

甘さも幸せも、ほんのりほろ苦さも味わえる、クリスマスにぴったりの一作としてぜひオススメしたいです!

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