男女関係なく気兼ねなく一緒に居られる存在や場所って、大事ですよね。
親から受けた子供の頃の体験は、なんだかんだ大人になっても心に石みたいに鎮座してることとかありますが、この主人公の心にも石が居座っています。しかし、彼には心の中の石の存在を小さくしてくれる男友達が。ルームシェアをしている隼人との生活。
彼等の言葉の端々に、二人の関係性が『信頼』で繋がっているのが感じられ、それが押し付けがましくない程よい距離感で構築されているのが、とても心地よい。
何気ない日常の中の、人によっては「特別な日(クリスマス)」を切り取った、心地よく読めるブロマンス物語です。
ぜひ、ご一読ください!
『クリスマス・キャロルは流れない』は、きらびやかな季節に取り残されるような孤独と、その奥にある小さな温度を丁寧に描いた物語です。
主人公の「与えること・受け取ることが苦手」という感覚がとてもリアルで、読んでいる側まで胸の奥を静かに押されるような痛みがあります。
でも、その痛みを過剰にドラマタイズしない筆致がむしろ魅力で、淡々とした語り口が逆に響きます。
特に、誰にも期待しないように生きてきた主人公の生活の一角に、自然体で寄り添う同居人がいるという関係性が、ほどよい距離感の温かさを生んでいて、とても心地よかったです。
派手な展開はなくても、その静けさこそが本作の良さ。
読む人の心のどこかに確実に触れてくる、そんな作品だと思います。
華やかなクリスマスの物語に少し疲れたとき、そっと寄り添ってくれる一冊としてオススメです!