宇宙のエントロピーを調整し、時間軸にも影響する“卵”のような構造体

この作品は、学術論文のかたちをしながらも、とても静かで、どこか物語の香りをまとった不思議な読み心地があります。
銀河の中心を“卵”と見立てる発想はとてもユニークで、読み進めるほどに「もしかしたら本当にこうかもしれない」と想像がふくらんでいきます。

難しそうなテーマを扱っていますが、文章は落ち着いていて読みやすく、専門知識がなくても自然と引き込まれるのが魅力です。
文明を“意味情報の生成”として捉え直す視点も新鮮で、宇宙と私たちの営みが、思いがけない形でつながっていく感覚を楽しめます。

追記:
特筆すべきは、参考文献がすべて2030年代のものであり、特殊相対性理論による先の時間軸から引用されている点である。
”卵”の影響は、このようにはっきりその存在を証明されている。