概要
2042年、俳句は計算機に敗北する。
俳句絶滅、これが我が使命である――。
時は2040年代、AI芸術家が俳壇に反逆し、俳句の「しらみつぶし探索」を開始した。300年続いた人類の芸術が、たった11日で終わろうとしている。
第2回円城塔賞の応募作品です。
時は2040年代、AI芸術家が俳壇に反逆し、俳句の「しらみつぶし探索」を開始した。300年続いた人類の芸術が、たった11日で終わろうとしている。
第2回円城塔賞の応募作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!俳句はAIによって廃れてしまうのか
AIの発展により、短歌のコンテストが中止に追い込まれるなど、
数年前ならSFの笑い話で済んでいた話が現実になりつつある昨今。
575の17字で表現する、俳句は、さるがシェークスピアをタイプするがごとく、
総当たり的な力業で、簡単にAIによって滅ぼされてしまうのではないか。
――いやいや。思ったよりも俳句は奥深いぞ。
そもそもいい俳句ってなんだ?
そんな話を実際の俳句をもとにAIと辿っていきます。
短いがゆえに、解釈の奥行ができて面白いのかもしれませんね。
果たして、俳句はAIに滅ぼされてしまうのか――?
AIに 負けるな守護神 柿食う人
お粗末様です! - ★★★ Excellent!!!AIも霞む歌詠め鴨よ飛べ/制約の多い定型俳句は生成AIに殺されるか
定型パターンを模倣し量のアウトプットをしていくこと。それが現在AIの得意とする領域ではある。模倣と拡散、あるいはパターンの抽出とアレンジ。
人は意図的にそれを逸脱することができる反面、それが必ずしも句として素晴らしいものになるとは限らない。そして句の評価とは、一見突飛な句が高く評価されたり、改めて詠むと取り立てて良いと思えない句が様々な理由により高く評価されたるする、なかなかに人の営為に左右されるところでもある。本作が示唆する採点評価の難しさはそこにある。
さて、デジタル技術黎明期に絵画方面でまっさきに「先鋭的」として取り入れられたのは点描法におけるランダムドットパターン。模倣とい…続きを読む