概要
この人から書くことを奪ったのは、世界の損失だと言い切れる
小説が書けない母から想像した、『未知なるもの』を想像出来ない創作論エッセイです。
なお母からは「好きに書け!」と許可貰いました。
なお母からは「好きに書け!」と許可貰いました。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!物語が好きな母へ、娘が贈る小さな応援歌
本作は、創作に関わる方ならきっと胸のどこかが温かくなる、とても優しいエッセイです。
語り手である作者さんと、そのお母さまとの関係がとても魅力的で、読みながら思わず笑ってしまう場面もあれば、そっと心を掴まれるような場面もあります。
博識で、ユーモアがあって、ときに哲学者のような鋭さを持つお母さま。
そんな“最強の読者”でありながら、ご本人はずっと小説が書けなかった――その理由が「過去に受けた言葉の幽霊」という描写には、静かに胸が締め付けられました。
創作者を否定する言葉の重さ、SNSに漂う空気、そして「書けない」という無力感。
それらが決して重苦しくならず、優しい視点で語られているのが本作…続きを読む - ★★★ Excellent!!!小説を書くために大切なこと。理解してくれる誰か。その大切さ。
もう、タイトル段階から強く興味を引っ張られます。
「母は小説を書けない」ということ。自分の母親が小説を書けないことは、何か問題があるのだろうか。そんな疑問をもって先へ先へと読み進めることに。
そうして見えてくる、作者の母の人物像。なるほど、これはなんとも個性が強い。
小説にも理解があり、作者の書いた作品を読み「しっくりこない」とコメントしたかと思えば、「中盤の山場をプロローグに持ってきたら」と提案し、その通りにしたらコンクールでも評価される(特にその点などが)という眼力の鋭さも持っている。
とにかく異彩を放つ母らしいけれど、それでも「小説を書く」ということに関してだけは事情が…続きを読む