スコッパー。それは、地に落ちかけた羽を、再び空高く吹き上げんとする者
- ★★★ Excellent!!!
著者はカクヨムで執筆活動をしつつ、“スコッパー”として埋もれている作品を、レビューを書くことで拾い上げるという活動をしている。
本作は、そんな“スコッパー”の輪を広げんとするものである。
わたしは本作にて、“スコッパー”という言葉を初めて知った。
なんとなく言葉からイメージできる通りであるが、検索したところ『ウェブ小説界隈で「ランキングに埋もれた良作を発掘・紹介する読者」』とのことである。
ただの一読者として、“読んでレビューを書く”という行為自体にも“スコップしている”要素はもちろんあるだろう。
しかし、“スコッパー”との違いは、その使命を自認し、レビューを書き、再び人目に触れるところに押し上げることを目的としていることであろう。
それはまるで、地に落ちかけた羽を、再び空高く吹き上げんとするかのようである。
私自身はカクヨムを初めてようやくひと月半を過ぎたくらいであるが、本当にレビューを書くのが苦手で、抵抗があった。
それでもレビューを書くという行為をしたいという思いから、レビュー指南書を探した。
たどり着いたのは本作の著者“お仕事中の情シス”先生の「我流レビュー論 ~推したい作者の自己肯定感を爆上げする良質レビューを書くには~」であった。
その時「わかりやすいレビュー法だなぁ」と思ったのも頷ける。
今回の「卵は守って育てにゃならんのです」を読み、著者の「レビューをする」という行為には、“スコッパー”としての熱意と使命感があったことがわかった。
わたしも1褒められたら100褒められたように木に登りやすいタイプであるので、レビューをいただくということがどれだけ創作活動のエネルギーになるかよくわかっている。
同時に、他の作家の方々のエネルギーになりたいとも思っている。
“スコッパー”を名乗るには、まだまだ「読む」・「レビューを書く」の研鑽を積まねばならないが、自分も卵を孵す一助になれるような読み手になりたいと、改めて思うことができた。
読みやすく、そして読ませていく言葉の紡ぎ方は著者ならではのもの。
ぜひ、本作を読んで、“レビューの力”というものの強さを皆様にも知ってほしいとおもう。