叙情的で美しい物語

 小高い丘の上に修道院がある、海辺の町。

 そこでは天使たちと普通の人間が共存している。

 そんな町にカノという少年がいた。
彼は学校には行かず、両親が営む食堂の手伝いをしている。 

 修道院で作っているビールを運ぶのが、カノの仕事だ。

 カノはある日、修道院の中庭のほうで、姉が誰かにぶたれているのを見る。

 姉に暴力を振るった奴に怒るカノだが、彼女はそんな彼を宥める。

 どうやら天使と人間は基本的にはあまり仲がよくないみたいだ。

 そんな場所で描かれる、絆と別れの物語。
悲しいのにどこか爽やかな読後感があるのが素晴らしい。

 素敵な物語でした。

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