「覗き見とは随分ずいぶんと良い趣味をしているな、坊主」

冒頭からもう魅入られた。
眼前に広がる異界の風景が壮大で美しくて。

少年・棗(なつめ)の左の眼球に映る世界は摩訶不思議。
そこで出会った大弓使いの青年・山彦。
怪物を仕留めた山彦を背中から見つめていると、不意に彼が振り返って肩越しに笑った。

「覗き見とは随分ずいぶんと良い趣味をしているな、坊主」

山彦かっこいい!(笑)

少年の瞳の裏側に映るのは、夢か幻か。
作者様の筆さばきが冴えわたる、上質な異界交流ホラーをぜひご堪能ください。

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