差し出された手を、とった

前作「ひとりかくれんぼ」につづいて、
オカルト好きで名探偵志望のEと、神社の家の子のKが登場する本作。
霧の日に現れるという都市伝説「ひきこさん」の謎を暴こうと張り切るEに、Kは「そんなことしないで」と取りつくしまもない。

物語の冒頭で、ある出会いが描かれている。
ある霧の日、緩慢に住宅街を彷徨う背の高い女と、道端に座り込んだ薄着の女児。
女児の手足にはいくつもの青あざがある――

Eは好奇心を抑えられるのか。
放課後、ランドセルを揺らして訪れた住宅街。
気づけばいつしか霧が出ていた。

うまく言えませんが、これは冒険譚であると同時に、心に寄り添い、涙するホラーだと感じました。