概要
彼の聲を聴いておりました。
主人(あるじ)は夜の森に私を見つけ、心地よい馨りのするお屋敷へ連れてくださいました。
私はまだ不完全で繭の中に眠っておりましたから、主人の立てる音と、主人のやさしい聲ばかりを、心で聴いておりました。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!幻想的で美しく、ある時代を感じさせる世界観に酔いしれます!
「私」は瓊葩(はな)の中で生まれ、葩(はなびら)を食べて育ち、隠れるものがなくなると繭を作り、その中で眠るという、とても不可思議な生き物。
しかしその繭は月明かりに照らさると、人の目を惹くような色に映えるという。
ある日、お屋敷の主人がその繭に惹かれ、持ち帰ってしまうのだが――。
あまりに幻想的な「私」の設定に、読み始めてすぐ心を掴まれてしまいました!
また、物語が進むにつれて、「私」の感覚を通して伝わってくる主人とお屋敷の雰囲気から、大正浪漫らしさを存分に味わえます。
あの時代の文学を感じさせてくれるような言葉選びも素晴らしい限りです!
幻想的で美しい純愛の物語!
是非ともご一読を!!!