雪と小さな嘘と、やさしい時間

雪の降るクリスマスの夜、内気な彼女が胸に秘めた想いを抱えてツリーの前に立つ、そんな恋の物語。
小さな贈り物とひとつの嘘が、臆病な心を少しだけ前に進めていく。

本作の舞台はとても寒いはずなのに、読み始めるとすぐにあたたかい世界観に引き込まれます。

短編なので、冬の恋のほんのワンシーンを切り取ってあるのです。
登場人物の人となりをよく知っているわけではないのですが、それでも不思議と、読んでいるうちにどちらのことも応援したくなってきます。
それは、仕草や視線、空気の温度で心情を伝えてくる描写がとても丁寧だからでしょう。

冬の夜に読むのに、これ以上ないくらい似合う物語だと思います。

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