この赤い嘘が、雪みたいに溶けてしまえばいいのに

内気な想いと小さな嘘が、雪の夜の情景に溶け込むように描かれていて、とても繊細でした。
編み込まれた赤いマフラーが、言葉にできない「好き」の象徴として胸に残ります。
優しさがあるからこそ踏み出せない距離、そのもどかしさが静かに積もっていき、ラスト直前の一歩に強く心を掴まれました。
白い雪と赤い想いの対比が美しい、余韻のある恋の短編です。