本作で描かれているのは、異世界でなされた“ある決断”と、それとはまったく切り離された形で始まる、現代日本の少女の人生です。
物語は、重い異世界の章から始まります。
そこで語られるのは、勝利でも希望でもなく、「守るために選ばれた、取り返しのつかない決断」。
その直後、舞台は一変し、現代日本の、穏やかでやさしい日常へと移ります。
ドジで素直な少女。
大切にしてくれる家族。
何気ない毎日。
あまりにも空気が違うため、最初は「これは本当に同じ物語なのか?」と戸惑います。
けれど、その戸惑いこそが、この作品の入口なのです。
可愛いもふもふの存在や、微笑ましい日常描写があるからこそ、後に訪れるであろう出来事の重さがより際立つ構成も見事。
「なぜこの少女は、現代で“テロリスト”と呼ばれる存在になるのか」その答えはまだ明かされませんが、読み進めるほどに――それは決して、単純な悪ではないと確信させられます。
優しさがいっぱいの物語が、どこへ向かってしまうのか。
その行き先を見届けたくなる、強い引力を持った作品です。
この物語、最初は“異世界転生ものかな?”と思って読み始めたけど、その想像を心地よく裏切られました。現代と異世界、両方の世界で孤独や痛みに悩む少女たち―― 姫和ひなとはるかの孤独や「癒しの力」が引き起こす誤解、その痛みが丁寧に描かれていて、現実の人間関係や生きづらさに悩む人ならきっと共感できると思います。
特に、家族や仲間たちとの日常のあたたかさと、異世界から来た小太郎やチュチュとの絆がリアルで、読んでいるうちに自然と心がほぐれていく感じがしました。
ファンタジーの壮大さと、現代の日常の繊細さが絶妙に混じり合っていて、現実に傷ついた経験がある人や、やさしい物語を求めている人におすすめです。深いテーマを持ちつつも、ふとした笑いやぬくもりがあり、幅広い世代の読者に届いてほしい物語です。
炎とともに滅亡を匂わすはじまりから一転、ほのぼのとした少女の一人称で物語は進行します。
舞台は現代日本、実に一般的な家族と暮らす主人公は平和そのもの。愉快な家族や(一癖ありそうな)動物たちに囲まれて、その様子は読みながら自然と微笑んでしまいそう。
しかし、一方でじわりじわりと迫り、まるで現代日本をこっそり蝕むように現れる『敵』の描写が非常に巧みで引き込まれる物語です。
全体を通し、柔らかい筆致と一人称で綴られる中に、ぎらりと光る壮大なファンタジーの影がアクセントとなり、ページをめくる原動力となっています。
まるで一つの物語を読みながらにして二作分を同時に摂りこんでいるようです。
二つの世界の結末が気になり目が離せません!
滅びゆく和國の姫「姉姫」の壮絶な独白から幕を開ける本作は、隣国の新王による非道な国盗りと、姉妹に秘められた特異な能力を巡る絶望的な戦いの場面から読者を一気に物語の世界へ引き込みます。
悠久の時を越え、舞台は現代日本へ。ごく普通の少女「姫和(ひな)」が家族との日常を過ごす中、彼女は不可思議な事件に遭遇します。
絶体絶命の窮地で発現する癒しの力、そして彼女を救った白銀の毛並みを持つ巨大な犬。さらに、獣人といった異形の存在との出会いは、物語に予測不能な展開をもたらします。
一見平和な日常の裏に潜む異世界の脅威。やがて、姫和と仲間が「結魂の儀」を通じて強い絆で結ばれていく様子は、ファンタジーと日常が交錯する新たな物語の始まりを予感させます。
絶望、再生、そして絆。この物語は、時空を超えた運命に立ち向かう少女と、彼女を守る心強き仲間たちの冒険を描く、壮大かつ心温まる異世界ファンタジーです。
ぜひご一読ください。
特別な力――驚異の治癒能力持つ桃色の髪を持つ少女・姫和。
やさしい家族に囲まれて笑顔を振りまく可愛らしいドジっ子。
ある日、家族と旅行中に崖から転落した彼女は白銀に輝くもふもふの『ワンちゃん』に助けられる。
ただ、この『ワンちゃん』は何だか普通とは違う。
そして、突如現れた灰色の角を持つ少年との戦闘。
彼は一体何者なのか? そして、謎の『ワンちゃん』との関係は?
他にも色々な種族が姫和の前に現れて、彼女の周りはドタバタな状況に!
異世界と彼女の力には何か関係があるのか?
元聖女がテロリストになるとはどういうことなのか?
果たして、姫和のこれからの運命は如何に……
まだまだこれからどうなっていくか見過ごせない作品だと思います!
桃色の髪を持つドジっ子小学5年生・姫和には、誰にも言えない秘密の力がある。それは、どんな傷も一瞬で治してしまう驚異の治癒能力——
家族旅行中、崖から転落した姫和を助けたのは、白銀に輝くもふもふの"ワンちゃん"。でも普通のワンちゃんじゃない。人間の言葉を理解し、石を操る謎の敵と戦い、トイレも使える!?
そして突如現れる、全身灰色で石の角を持つ少年。彼が探す「姫さん」とは一体誰なのか?
物語はもう一つの世界へ——滅亡寸前の異世界「和國」。双子姫が放った最後の術が、思いもよらぬ形で時空を超えて発動していた。二つの世界を繋ぐ鍵を握る少女たちの運命とは?
温かな家族の日常と、命を賭けた異世界の戦い。癒しの力を持つ少女が「聖女」ではなく「テロリスト」になる未来とは?