密室トリックの基本形? それを綺麗に応用した答えがとても綺麗です

 この世界観の雰囲気のほっこり具合。「日常の謎」な楽しさが味わえる作品です。

 孤児院で暮らす主人公のホリキタくんとコハルちゃん。二人はある時に院のナカジマ先生から「マジック」を見せられる。

 卵が割れたら、なぜか鍵が出てきた。

 その鍵は、二人が入った部屋の扉を開けるもの。自分たちが持っているもの以外には、卵の中に入っていた「もう一つ」しかなかったはず。

 一体、どうやってあらかじめ卵の中に鍵を仕込んだ?

 解決まで読んで微笑ましい気持ちになります。

 本格ミステリが好きな人なら「密室の謎」として一度は触れたことがあるかもしれないもの。
 そんな要素をうまく使い、マジックとしての楽しい雰囲気に仕上げて見せる感覚。とても読み心地の良い作品でした。

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