ここは喫茶店。コーヒーを楽しむための場所。魔王もそこでは一人の客に

 一杯のコーヒーが世界を変える。

 喫茶店を一人で営むコフィ。彼女の店に、ある日『魔王』がやってくる。
 戸惑う魔王。戸惑うコフィ。どうやら彼女の店がなんらかの力で魔王城と繋がってしまったらしく。

 魔王は「異世界」ならではの魔法の力を使おうにも使えない。武器も使えない。なので、完全に無害な存在に。
 仕方なく、喫茶店なのでコフィの出すCOFFEEを口にするが……。

 異世界にいる時と違って、魔王は「魔王」という役割から解放される。そこでは一人の「客」として穏やかにコーヒーを楽しむことができる。そんな超絶的なリラックス効果が彼の心を溶かしていく。その過程がとても微笑ましかったです。

 更に、お店には「新たなる客」も。でも、何が起きても大丈夫。この店では争うことはできない。可能なのはただ、コーヒーを楽しむことだけだから。

 「注文がホットコーヒーという時点でまだまだ若いというのだ」

 このセリフを魔王が口にしたところでニヤリとせずにいられませんでした。「え? 何かおかしいの?」と思いながら続きを読むと、「なるほど!」とぐうの音も出ない正論、というか、「ものすごい通気取り」なセリフが。

 いい感じに喫茶店の雰囲気にどっぷりと浸かり、完全に平和を満喫してしまっている魔王たち。このほのぼの感がとにかく癖になります。

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