概要
失った感情と記憶を取り返すため、神に抗う
神社のなかで目覚めた学生 鶴雪三明には、感情も記憶もなかった。残っているのは、自分の名前だけ。不思議な狐 いなりと共に失ったものを取り戻すべく、五つの神社を巡る旅が始まる。しかしこの町、渡鳥市には、強い怨念を抱えた悪霊たちが人間を求めて徘徊していた——。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!~ 感情を取り戻すたびに、痛みも自分になっていく ~
神社で目覚めたとき、鶴雪三明には名前しか残っていなかった。感情も記憶もないこの「欠落した人間」という出発点が、物語全体に静かな切実さを漂わせている。
不思議な狐・いなりと共に五つの神社を巡る旅という構造は、RPG的なわかりやすさを持ちながら、各話の敵である悪霊たちが単なる障害として描かれていないのが秀逸だ。鬼頭の過去に見られるように、怨念の裏には必ず人間の痛みが宿っている。三明が感情を取り戻すたびに、知らなかった悲しみや痛みも自分のものになっていくこの構造の残酷さと美しさが本作の核心だと思う。
章タイトルが「鶴と○○」で統一されているシンプルさも心地よく、連載中の今がまさに読み頃。和風ホ…続きを読む