その死体は、笑っていた。ーー
引きの強い言葉から始まる物語の主人公は魔法少女のヒカリ。
ただ彼女を取り巻く世界は、決して明るいものばかりではなかった。
理不尽に扱う環境や屈折した視聴者などの描写から、崩壊寸前の心がギリギリのバランスで描かれていきます。
配信が主流となったこの時代において、そこには一皮むけば危うい残酷さと心の傷がある。
そんな現代社会を示唆しているようで、痛烈に響いてくるものがありました。
魔法少女は決してファンタジーなものにとどまらず、すぐ隣にいる彼や彼女であったりするのかもしれない。
読みながらそのような印象を受けたものです。
愛されたい、大事にされたいという自然な欲求と、それを取り巻く複雑な社会による足かせとブレーキ。
その中でいかに生き抜いていくのかを、魔法少女が教えてくれるのかもしれない。
まだ物語は途中ですが、そんな希望の光も予感できる、先の展開が気になる楽しみな作品です。
人間の悪意と善意というものは、かけ離れているように見えて意外と近いところにあるのかもしれない。どちらも人に向ける感情であることは同じだし、『関心』ではあるのだ。そして、承認欲求を拗らせるということはそれをどちらも構わず飲み込もうとしてしまう事なのだろう。
本作の主人公、ヒカリちゃんは魔法少女である。承認欲求から生まれた怪人と戦う戦士であり、承認欲求の為に戦うある種の『怪人』でもある。見どころは、そんな彼女が顔も知らぬ多くの誰かに『見られる』為に狂っていくところなのだろう。エナドリを飲んで無理矢理奮起し、睡眠薬で無理矢理眠る。身も心もボロボロになっていく中、それでも彼女は自分の体に鞭を打ち、徐々に狂っていく。
あまりに痛々しく、どこか健気にも見える彼女の勇姿。そしてそれを目当てに群がる視聴者や汚い大人達。善意も悪意も承認欲求の名の下に喰らい続ける彼女の行き着く先は……?