ああ、すごいものを読んだ……!菊好きとして、「菊」を描いた作品があることがとても嬉しいです。うっとりしながら読みました。作者さまも菊がお好きなのかなと思えるほど、花の描写が詳細で、美しいものでした。たまりません。あまり感情的なレビューにしてもいけませんので、感想はこれくらいにしておきます。菊花に関心のない方も、読んでみたら、もしかしたら少し 関心を持てるかもしれません。ぜひ、作者さまの素晴らしい表現力に酔ってみてくださいませ。「曾祖父」の愛した「菊」と、複雑さが覗がえる「人間関係」が描かれています。
子どもの頃見た光景は、不思議と細部までよく覚えているものだ。 純粋で繊細な時期だからこそ、見つめ、気づけることがあるのだろう。 今作品では、小学生のひ孫から見た曽祖父と菊の有り様を、とても丁寧に、時に残酷なほど鋭く描写されています。 浮き彫りになる人物像、人間関係。 崇高であり、歪であり。 ラストに漂うのは、存在感と喪失感。 静かな筆致で、一人の人間の生き様を見事に語り切った素晴らしい作品です。 是非、皆さんも触れてみてください。 お勧めです!
菊でここまで話を広げられるのかと、作者の発想に脱帽しました。曽祖父の熱意に焦点を当てることで、本作の菊の魅力を発揮しています。品評会。興味のない人には、賞も作品の良さも注いだ情熱も充分にわからないでしょう。それでも命をかける人は命をかけるのです。美しくておぞましい菊の話をぜひ読んでみてください。
小学生の頃、授業で菊を育てたことがある。一つだけ花を残し、それ以外はむしる。その時のぷちっとした、或いはこりっとした不思議な感触や、折れ口から漂うすっとした匂い、そういうのを思い出した。余計なわたしの感想はいらないだろう。一つの花を軸に、得も言われぬ居心地の悪さ、不気味さをじわりと描く怪作です。
もっと見る