1話を拝読した時から「凄い小説に出会ってしまった……」と思っていましたが、最後まで読んで、その思いがさらに強くなりました。
王と臣下、忠誠と愛、そして嫉妬や執着までが複雑に絡み合い、それが歴史の大きな流れへと繋がっていく――圧巻の構成でした。
若き王・凌政と、その傍らに立つ李昰。
二人の出会いから、王と臣下として並び立つまで。その間に育っていく感情が、政治や思想、そして歴史上の出来事と切り離されることなく描かれているのが本当に見事です。
特に、理性と法を重んじる李昰と、彼のすべてを見透かすような凌政。
忠誠だけでは言い表せない感情が少しずつ形を変え、ときに政治的な選択にまで影響していく。その危うさと濃密さに引き込まれました。
そして最後に、タイトルの「讒訴」が重く響き、物語全体がひとつの円環を描く。その鮮やかな収束には唸らされます。
これだけの政治、思想、愛、嫉妬、執着を9999文字の中に過不足なく織り込み、短編とは思えないほど大きな物語として描き切っていることにも驚かされました。
普段はライトノベルを好んで読む私ですが、最後まで夢中になって読みました。
「BLだから」「歴史ものは難しそうだから」と敬遠している方にも、ぜひ読んでいただきたい作品です。
読み終えたあと、きっとこの9999文字の重みに驚かされると思います。
「BL」と思って忌避している人。
「歴史が苦手」な人。
騙されたと思って読んでみてほしい。
この物語を目にした物書きは、李昰に己を重ねることを禁じ得ない。
著してみたいけど、自分には著せない理想の形がここにある。
まさに今自分は、韓非子を手にした時の李昰と言っても過言ではない。
まさに懊悩。ヒトの普遍的なテーマ。
歴史好きの方。
読了し、
「そういえば、『焚書坑儒」って、李斯への愛だったな」
と思い出す……って、いや、そんなわけないだろう。急ぎ頭を振る。
中国史好きの脳内で歴史的事実の誤認が起こる。
史実と真実の境目が分からなくなるほど丁寧に描かれています。
李斯の最期を考えると胸が痛み、今までとは異なる李斯像が浮かび上がるはず。
BL好きの方。
讒訴……讒言ではない。
文字通り、鬱屈を、妬心を、葛藤を、そして愛を訴える。
多面的に読める、まさしく骨太の中国時代小説であり、BLであり、ドラマ。
何度読んでも良い!
(大分短くしましたが、長くなってすみません。このレビューはどうでも良いので、
ぜひ本文を!)
すごかった。
難しい文体なのに読んでいて、なんとなくの情景が頭に浮かんできて、
まるで1本のショート動画を見ている感覚だった。
最初1話を読んだ時理解できなかったが、2話を読んでから
ああ、主人公は小凌じゃなく李昰だったんだーと思って
そのまま3話、4話と読み李昰が讒訴するまでの流れや思い、後悔があふれてきて
もう、うわーっとなりましたよ。
いいものを見せてもらいました。
多分もうちょっと描写を書けたでしょうが、9999字という縛りの中
ここまで書けているのが素晴らしいと思いました。
文体がやはり難しいので読みづらかったところは童話版で保管しました。
こちらは読みやすいのでいいのですが、何かが違う…
難しいけどこの文体が正解なのでしょうね。
讒訴というタイトルが秀逸で象徴的です。
古代中国"眞"国の英明の王・凌政を軸として、
白皙の秀才丞相李昰は、荀子をおさめその才覚を若き王と国体に惜しみなく注ぎながらも、
同門の俊才・韓非という存在に平常をうしない、妬心から思いがけない行動を取ってしまう。
文章は重厚無比、ですが主要人物が鮮やかに描かれ対比され現代の私たちの心を抉り取るのです。
韓非子の告発は美事。
凌政(秦王・嬴政ですね)の視線は平らかにして峻烈。
この二人をさえ凌ぐキャラクターが主人公の李昰(李斯)です。
この複雑な人物、懊悩の艶を短編で著しきった作者様に嫉妬を覚えてしまいます。